FRPH018  真空  8月2日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 10:50-12:50
SuperKEKB真空システムのためのSiC吸収体の開発
Development of SiC absorbers for the SuperKEKB vacuum system
 
○照井 真司,石橋 拓弥,榎本 瞬,渡邉 謙,竹内 保直,白井 満(高エネ研)
○Shinji Terui, Takuya Ishibashi, Shun Enomoto, Ken Watanabe, Yasunao Takeuchi, Mitsuru Shirai (KEK)
 
SuperKEKBでは、バンチ長が約6㎜と短く、かつ、バンチ電荷が10 nC以上と大きい。その結果、リングに設置された様々な真空機器では、通過するバンチによって高次高周波(Higher Order Modes, HOM)が励起されやすい。特に衝突点付近のチェンバーは特殊な形状をとる必要があり、他の機器に比べて強いHOMが励起され、真空バーストや近傍の真空機器の発熱、ビーム不安定性等を誘発する可能性がある。SuperKEKBでは各種真空機器で発生するHOMへの対策がこれまでになく重要な課題となっている。対策としては、機器をHOMが発生し難い構造にすることはもちろんであるが、機器の近傍にHOMを吸収する装置を設置するのも有効である。我々は、フェーズ2運転期間に真空バーストが頻繁に起きていたルミノシティモニター用チェンバー付近で使用することを想定して、SuperKEKBのRF空洞区間で実績があり、ガス放出率が非常に低いことで知られるSiCを用いたチェンバーの設計を現在行っている。本件では、インピーダンスが低いチェンバーの設計方針と計算結果、SiCと銅のろう付けの試験として、ハイパワー耐久テスト・引張テストを行った結果等を報告する。