FRPH007  加速器制御  8月2日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 10:50-12:50
デバイス・コンフィグレーション記法TXDBのSuperKEKB制御への応用
Application of the device configuration notation TXDB to the SuperKEKB control system
 
○中村 達郎(高エネ研)
○Tatsuro Nakamura (KEK)
 
一般に加速器制御システムでは、制御に必要な各種パラメータなどのデバイス・コンフィグレーション・データを管理する必要がある。例えば制御対象機器のインターフェースアドレス、定格値、換算係数や較正係数、運転上の制限値などである。これらのデータの管理方法としては、リレーショナルデータベースを構築して管理する方法があり、また一方では表計算ソフトで管理する方法もある。前者は厳密なデータ構造を作れるため、データから制御ソフトウェアへ展開するのに適しているが、システムの構築や構造の変更には手間が掛かり保守のコストが高い。後者は手軽に利用できて構築に手間もあまり掛からないが、自由度が高すぎるため、記述の揺らぎが生じやすく、一貫性の維持やデータ展開の安定性には注意が必要である。SuperKEKBの電磁石制御では、第三の方法としてTXDBと呼ぶ簡素な記法のテキストファイルで管理する方法を取り入れた。この記法は加速器制御システムへの応用を念頭に置いた設計になっており、データベースや表計算ソフトと比べると汎用性は劣るが、手軽に構築でき、可読性も優れている。制御ソフトウェアへの展開などのデータ処理はPythonで記述する方式となっている。SuperKEKBでは2000台を超える電磁石電源を制御しており、その応用を例にTXDBの概要を紹介する。