FROI09  加速器土木  8月2日 国際科学イノベーション棟5階 ホール 15:40-16:00
北上山地花崗岩体における地中微振動測定
Microtremor measurements in the underground of granite zone in Kitakami Mountains
 
○松永 裕樹,松下 仁士,井上 竜太,下河内 隆文(竹中工務店),吉岡 正和,佐貫 智行,小貫 勅子(東北大学)
○Hiroki Matsunaga, Hitoshi Matsushita, Ryota Inoue, Takafumi Shimogouchi (Takenaka Corp.), Masakazu Yoshioka, Tomoyuki Sanuki, Tokiko Onuki (Tohoku University)
 
河川横断部は、岩盤に対する土被りがILC建設予定地の中で最も少ない地域となるため、車両の通行がILC のトンネル内に与える振動影響を事前に把握しておくことが有益である。地表面から地中への振動伝達特性や地中での振動量を把握することを目的として、当該地域において地表面および地中(花崗岩体)の微振動測定を行った。測定は、砂鉄川と国道343号が近接するエリアの国道沿いの敷地にて行い、ボーリング調査、トラックによる衝撃加振、及び微振動測定を実施した。トラックによる衝撃加振は、GL-3.5mまで掘削した時点とGL-10mまで掘削した時点で実施し、地表面から地中への振動伝達特性を評価した。また、ILCのトンネルの土被りが最小の部分を想定し、GL-16m地点までの振動伝達特性を推定した。その結果、GL-10m地点での振動は、GL-16m地点に振動伝搬する間に55%程度低減すると考えられた。車両通行時の振動は、主に鉛直方向の1Hzにおける積分変位を指標として評価した。GL-10m地点において、15分間の平均で最大14.6nm、大型車両が通行した瞬間のデータのみ用いた場合で43.7nmとなった。これに上記の振動低減を加味すると、GL-20m付近では大型車両通行の瞬間以外は10nm 未満の振動環境になるとの予測を得られた。