FROI07  高周波源/真空  8月2日 国際科学イノベーション棟5階 ホール 14:50-15:10
PFリングU#19用真空チェンバに施したTi-Zr-V系NEGコーティングの真空特性評価
Characterization of the Ti-Zr-V NEG-coating deposited on the PF-ring U#19 vacuum chamber
 
○谷本 育律(高エネ研/総研大),野上 隆史(高エネ研),金 秀光,山本 将博,本田 融(高エネ研/総研大)
○Yasunori Tanimoto (KEK/SOKENDAI), Takashi Nogami (KEK), Xiuguang Jin, Masahiro Yamamoto, Tohru Honda (KEK/SOKENDAI)
 
2018年10月、KEKのPhoton Factory蓄積リング(PFリング)にAPPLE-II型可変偏光アンジュレータ#19(U#19)を設置した。そのU#19用真空チェンバには、PFリングでは初めての試みとなるNon-Evaporable Getter (NEG)コーティングを施した。U#19真空チェンバの詳細な設計と製作については前回発表(WEP114 @PASJ2018)のとおりである。その後、リング内への精密設置やNEGコーティングの活性化を行い、ビーム負荷のない状態で、残留ガス分析計を用いてゲッター作用による排気特性評価を行った。2018年11月からのビーム運転では放射光照射による光刺激脱離ガスを観察し、光焼出し効果による枯れの推移がSynrad&Molflowシミュレーションでの予測とよく一致していること、また、他のアンジュレータ用真空チェンバと同等以上の性能を有していることを確認した。NEGコーティングの良好な真空特性には膜の微細な結晶構造が深く関与していると考えられているため、チェンバへの製膜時に合わせて作製した試料に対して、電界放出形走査電子顕微鏡(FE- SEM)やX線回折(XRD)による表面分析を行い、良質な膜が得られていることも確認した。