FROH06  電子加速器  8月2日 百周年時計台記念館 百周年記念ホール 14:30-14:50
KEK-STFにおける極低エミッタンス扁平ビーム生成実験
Generation of low emittance flat beam in KEK-STF
 
○田村 遼平,栗木 雅夫(広大院先端),早野 仁司,山本 尚人,金 秀光,清宮 裕司(高エ研)
○Ryohei Tamura, Masao Kuriki (adsm), Hitoshi Hayano, Naoto Yamamoto, Xiuguan Jin, Yuji Seimiya (kek)
 
電子・陽電子リニアコライダーでは,扁平ビームを用いることでビームビーム相互作用を抑制し,かつ高ルミノシティの衝突を実現する.現在の設計ではダンピングリングへの蓄積による放射減衰でエミッタンスにしてεx=10, εy=0.04 mm.mradという扁平ビームを生成するが、本研究ではビームの位相空間回転を用いた入射器による直接生成について検討する.ビーム進行方向をzとして, x-y及びx-zという二つの自由度間の回転を行うことでこれを実現する。このx-y横方向位相空間回転操作をRFBT(Round to Flat Beam Transformation),x-z位相空間回転操作をTLEX(Transverse to Longitudinal Emittance Exchange)と呼ぶ.大きな径でビームを発生させ空間電荷効果を抑制しつつ、RFBTを行い、大きな非対称エミッタンス(εx>>εy)を生成する。初期エミッタンスが大きいため、このままではεxが過大となるが、TLEXによるx-zエミッタンス交換を行い、εxをリニアコライダーの要求値とする。εzが大きなエミッタンスを引き受けることとなるが、εzへの要求は8.5e+5 mm.mradと厳しくないので問題とはならない。本発表では、KEK-STFにおける実証試験について、シミュレーションによる検討結果を報告する。