WEP135  加速器土木・放射線防護  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
KEKB入射器トンネルにおける床面変動と環境温度変動
Tunnel floor motion and environmental temperature fluctuation at the KEKB Injector Linac
 
○諏訪田 剛,柿原 和久(KEK加速器)
○Tsuyoshi Suwada, Kazuhisa Kakihara (KEK)
 
2016年の本学会では、2016年1-7月までに及ぶ入射器トンネルの床面変動の連続観測、特に500m長に渡る床面の複雑な動的変動とその相関解析について報告した. この結果、入射器トンネルの床面変動は500m長に渡り不規則かつ複雑に変動していることがわかった. 2017年には、同データを用いて普遍的な法則として知られているATL則の検証を行なったところ、入射器の床面変位の時空発展がATL則によく従うことを検証した. 詳細な解析に基づけば、床面変位の時間発展はATL則からわずかにずれ、そのずれの大きさはフラクタル次元に強く相関していることが理解された. すなわち、床面変位の時系列は、その特徴としてフラクタルで記述できることである. この結果は、入射器の床面変位の時系列は決して単純ではなく、さらに複雑なフラクタル的ATL則で記述されるべきことを示している. 入射器トンネルは比較的浅い深さにあり、床面変動は地面変動というより、建屋変形の影響を通した間接的な変動を見ることになるのでさらに複雑である. 建屋変形を全長に渡り、同期して直接的に計測するのは困難なので、その代わりに環境温度を計測することで、何らかの知見が得られないかというのが今回の狙いである. 入射器において環境温度の計測を開始したので、ここでは中間報告を兼ねて第一報を報告する.