WEP131  加速器応用・産業利用  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
次世代重粒子線治療に向けた量子メス治療装置の設計
Design of Quantum Scalpel for the New Heavy Ion Radiotherapy
 
○白井 敏之,岩田 佳之,野田 悦夫,水島 康太,稲庭 拓,村松 正幸,近藤 公伯,榊 泰直,西内 満美子,野田 耕司(量研機構),藤本 哲也(加速器エンジニアリング)
○Toshiyuki Shirai, Yoshiyuki Iwata, Etsuo Noda, Kota Mizushima, Taku Inaniwa, Masayuki Muramatsu, Kiminori Kondo, Hironao Sakaki, Mamiko Nishiuchi, Koji Noda (QST), Tetsuya Fujimoto (AEC)
 
 重粒子線治療は、高いQOLを維持でき、放射線抵抗性のがんに対しても高い腫瘍制御を実現するなど、優れた成果を出しており、量研機構だけでも10,000人以上の治療実績がある。量研機構では、この重粒子線治療の治療費を低減し、腫瘍制御をさらに向上させた次世代の重粒子線治療装置の開発を開始しており、量子メスと呼んでいる。  量子メスは、1台のイオン源でフルストリップに近い複数のイオン(He, C, O, Ne)を生成する、多価・多核種・コンパクトECRイオン源と小型線形加速器、またはレーザー駆動イオン加速器を入射器として用いる。シンクロトロンは、4T Combined Function超伝導電磁石を用い、10m角の部屋に設置可能であるとともに、高速にイオン種・ビームエネルギーを変化させることができる。そして回転ガントリーは、超伝導電磁石でビームを輸送し、複数のイオン種を組み合わせて治療用照射野を形成する。  本発表では、この量子メスの全体設計の現状について報告する。