WEP130  加速器応用・産業利用  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
RIビームがん治療用ISOLシステムの開発: 1価C-11イオン生成実験
On-line experiment of singly-charged C-11 ion production
 
○片桐 健,涌井 崇志,北條 悟,野田 章(量研/放医研)
○Ken Katagiri, Takashi Wakui, Satoru Hojo, Akira Noda (QST/NIRS)
 
重粒子線治療において,PET装置で線量分布をリアルタイムに検証する技術を実現するために,Isotope Separation On-Line (ISOL)法により,C-11ビームをHIMACシンクロトロンから供給することを検討している。このISOLシステムは,プロトン照射用小型サイクロトロン,C-11生成用標的,C-11分子生成/分離システム(CMPS),一価イオン源(SCIS),質量分析器(MS),荷電増幅器(CB)から構成される。1人の治療に必要な1e10個以上のC-11多価イオンを20分毎に生成することを目標として,これまでISOLシステムの各要素機器の開発を進めてきた。標的は,20分間のプロトン照射(18 MeV,18e-6 A)により,およそ1e13個の揮発性C-11分子の生成が可能であることが判明し,また非放射性の12CO2ガスを使用した実験によりCMPSは60-80%の効率,SCISはCO2+のイオン生成効率として5.5%の効率を達成できることが判明した。これらの結果を踏まえて,MS及びCBを除くISOLシステムの性能評価を行うために,プロトンビーム照射によりオンラインで1価C-11イオンの生成・定量化を行う実験を実施する計画である。本発表では,このオンライン実験でのシステムの詳細と,その事前実験の結果を示す。