WEP125  加速器応用・産業利用  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
回転ガントリーのためのビームアライメント手法とその検証
Beam position alignment and its verification for rotating-gantry
 
○皿谷 有一,古川 卓司,原 洋介,水島 康太,早乙女 直也,丹正 亮平,岩田 佳之,白井 敏之,野田 耕司(量研機構)
○Yuichi Saraya, Takuji Furukawa, Yousuke Hara, Kota Mizushima, Naoya Saotome, Ryohei Tansho, Yoshiyuki Iwata, Toshiyuki Shirai, Kouji Noda (QST)
 
三次元スキャニング照射法ではビーム位置のずれが照射野のずれを引き起こすため、治療室内の基準点とビームの位置を合わせることが重要である。加えて、2015年よりビームコミッショニングを開始した、回転ガントリー照射装置においては、複数のガントリー角度において治療室内の基準点とビームの位置を合わせることが求められる。コミッショニング時のビームの位置合わせと、治療運用開始後の定期的なビームの位置合わせを円滑に行うため、我々は簡便なビームのアライメント手法を開発した。加速器から取り出されたビームは、輸送ライン中に設置された蛍光膜モニターの中心を通るように、位置合わせが行われているが、電磁石の据え付け誤差などにより、ビーム位置と磁石の中心にはずれが生じる。加えて、ガントリーを回転させた際の構造体の歪みによって、回転角度毎にビーム位置と磁石の中心にずれが生じる。治療室内の基準点は、予め金属球を内部に配置したファントムによって定義されており、治療室に設置された蛍光膜モニターにより、基準点とビーム位置のずれが測定される。本手法では、基準点におけるビーム位置のずれから上流のビーム位置のずれを算出しステアリング電磁石により補正を行う。本手法を適用することで、ビームの位置精度を損なうことなく、全ての角度からの照射が可能になり、2017年より治療を開始している。本講演では、開発した手法とその結果について報告を行う。