WEP123  加速器応用・産業利用  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
小型加速器中性子源RANSを用いたコンクリート内への水分浸透の定量化によるコンクリートの耐久性評価
Evaluation of durability of concrete by quantification of water penetration into concrete with RIKEN compact accelerator-driven neutron source RANS
 
○吉村 雄一(東工大院,理研,トプコン),水田 真紀,須長 秀行,大竹 淑恵(理研),林崎 規託(東工大研究院)
○Yuichi Yoshimura (Tokyo Tech, RIKEN, Topcon), Maki Mizuta, Hideyuki Sunaga, Yoshie Otake (RIKEN), Noriyosu Hayashizaki (Tokyo Tech)
 
コンクリート内への水分浸透は構造物を劣化させる鋼材腐食の進行に大きく影響を与えており,水分浸透速度を構造物の耐久性に反映した設計手法が2017年に改訂されたコンクリート標準示方書で示された.しかし,水分浸透の評価は測定手法の不足により精度や再現性といった信頼性が現状確認されておらず,多種に及ぶコンクリートの水分浸透性状は明確に把握できていない.そこで筆者らはコンクリート内の水分浸透の観察手段に理研小型加速器中性子源RANSを利用した中性子イメージングを適用し,水分量の定量手法について検討を行ってきた.RANSは2013年1月に中性子発生に成功して以来,現在に至るまで安定的に稼動し, 常時中性子ビーム利用が可能な小型中性子源である.インフラ材料の非破壊検査として鋼材塗膜下の腐食の可視化やコンクリート床版内部の劣化や欠陥の検出に成功した実績があり,可搬型中性子源の開発といった更なる小型化にも取り組んでいることから今後一層の利用拡大が期待されている.上記の背景より測定データの蓄積に適した小型加速器中性子源の特徴を活かして種類によって変わるコンクリートの劣化程度と水分浸透との関係について評価を行っている.本学会では,コンクリートサンプルの内包する水分量の非破壊定量に基づく水分浸透性状の評価とコンクリートのパラメータとの関係について報告を行う.