WEP112  真空  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
RCSビーム入射部における低放射化・保守性向上のための真空機器のアップグレード
Upgrade of vacuum devices at RCS beam injection area aimed at lower radiation and maintainability increase
 
○神谷 潤一郎,山本 風海(日本原子力研究開発機構),柳橋 亨,佐藤 篤,三木 信晴(日本アドバンストテクノロジー)
○Junichiro Kamiya, Kazami Yamamoto (JAEA/J-PARC), Toru Yanagibashi, Atsushi Sato, Nobuharu Miki (NAT)
 
J-PARC 3GeVシンクロトロン(Rapid Cycling Synchrotron: RCS)のビーム入射部は、リニアックからのH-イオンを陽子へ荷電変換するための薄膜による散乱のため真空ダクト等が放射化し、残留放射線量が高いエリアである。加えて、パルス電磁石であるシフトバンプ電磁石の漏洩磁場で真空ダクトのフランジ温度が100度近くになるため、熱膨張により真空リークが発生しやすい箇所である。今後1MWのビーム出力に向けて運転をしていくうえで、このような状況の改善は、保守時の被ばくを低減するという観点で必須である。残留放射線量低減を目的として遮蔽体を常設するために、入射点の真空容器の構造を改良する。フランジの発熱によるリークの問題は、フランジ材料を現在の純チタン2種(耐力: >216 MPa)から高強度材料であるTi-6Al-4V(耐力: 921 MPa)に変更することで、高トルクでの締め付けにも耐えうるようにする。本会では、これらのアップグレードの状況について報告する。