WEP087  ビーム診断・ビーム制御  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
一様スピルを得るための広帯域RFKOシステム用APNの試作
Development of the prototype all pass network for radio frequency knockout system with a broadband to obtain a uniform spill
 
○山口 輝人,西原 亮輔,加藤 久暁,小林 大二朗,塩川 智也,中西 哲也(日大生産工)
○Teruto Yamaguchi, Ryosuke Nishihara, Hisaaki Kato, Daijiro Kobayashi, Tomoya Shiokawa, Tetsuya Nakanishi (College of Industrial Technology, Nihon University)
 
重粒子線がん治療装置に用いられるシンクロトロントロンからのビーム取り出しにおいてRadio Frequency Knock Out(RFKO)法が用いられる。従来のRFKO装置では数10kHzの狭い帯域幅の高周波電界を使用する。しかし、共鳴周波数帯を複数含む広い周波数帯の高周波電界を用いることにより、出射ビーム強度が一様になることをビームシミュレーションで示した。本研究では、この方式を実現するために、広帯域のRFKO装置の開発を行った。RFKO装置はImpedance Transformer(IT)とAll Pass Network(APN)で構成され、本研究では広帯域APNの試作を行った。APNを構成する素子は、抵抗,コイル,コンデンサである。この中でコイルは実際のビーム照射を考慮しスペックを決定し、製作した。それらの素子を用いて試作したAPNの周波数特性の測定結果を報告する。また、使用する周波数が広帯域であるため、各バンドに位相差が生じる。この位相差がビーム強度に与える影響をシミュレーションにより検討したので、それについて報告する。