WEP066  電磁石と電源  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
J-PARC-MRの速い取り出し用新低磁場セプタム電磁石の開発(4)
The development of a new Low field Septum Magnet for fast extraction in J-PARC MR(4)
 
○芝田 達伸(高エネ研),川口 祐介,中村 健太,濵野 慧(ニチコン草津),石井 恒次,杉本 拓也,松本 浩,松本 教之(高エネ研),Fan Kuanjun(HUST)
○Tatsunobu Shibata (KEK), Yusuke Kawaguchi, Kenta Nakamura, Kei Hamano (Nichicon), Koji Ishii, Takuya Sugimoto, Hiroshi Matsumoto, Noriyuki Matsumoto (KEK), Kuanjun Fan (HUST)
 
J-PARC MRでは速い取り出しのビームパワーを設計値である750kWに増強するためアップグレードが進行中である。750kWへの増強にはビームの運転周期を現在の2.48秒から1.3秒への短縮が必要である。MRの入出射用電磁石システムも1.3秒周期への対応のためアップグレードを行っている。本講演では新しい速い取り出し用の低磁場セプタム電磁石システムの開発について報告する。現行機の低磁場セプタム電磁石はMR運転開始以降使用を続けているため、セプタムコイルの自身の振動による絶縁破壊が懸念されている。他には四重極成分の漏れ磁場が大きいという問題がある。ビームパワー増強に伴いビームハローの強度も大きくなると予想されるため磁極のアパーチャーの拡大も必要である。そこで我々は新しい低磁場セプタム電磁石として通常のタイプではなく誘導渦電流型、通称Eddy型という電磁石の導入を進めている。Eddy型はMRの入射部に既に1台使用され実績もある。新しい低磁場セプタム電磁石と新しい電源は2014年に製作され、MRエリア内の電源棟内にテストベンチを構築し試験を行っている。本講演ではまず2016年に電源棟内で確認されたMRビーム起因の空間ノイズについて報告する。この空間ノイズにより電源の出力電流の変動を確認し、ノイズの軽減対策を行った。2つ目は補助充電器の導入について報告する。最後に磁極内、漏れ磁場測定について報告する。