WEP049  加速構造  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
SuperKEKB Phase2における超伝導空洞の運転状況
Status of superconducting accelerating cavity at SuperKEKB phase-2 operation
 
○西脇 みちる,赤井 和憲,古屋 貴章,光延 信二,森田 欣之(高エネ研)
○Michiru Nishiwaki, Kazunori Akai, Takaaki Furuya, Shinji Mitsunobu, Yoshiyuki Morita (KEK)
 
SuperKEKB加速器では、KEKB加速器の40倍のルミノシティを目指し、2016年2月から6月までのPhase-1コミッショニング運転を無事に終え、2018年3月から7月までPhase-2コミッショニング運転を実施している。大電流ビームを加速する超伝導加速空洞は、KEKB加速器用に開発された高調波減衰型空洞で、8台が電子リングで用いられている。KEKB加速器運転で劣化した空洞を横型高圧水洗浄により性能回復させ、Phase-1終了後にリングに導入し、Phase-2で安定に運転している。また、Phase-1で性能劣化した空洞にも横型高圧水洗浄を施し、性能を回復させ予備機としている。Phase-1で問題が発生した周波数チューナーのピエゾアクチュエータは、耐久試験により使用条件を最適化し、Phase-2では安定に動作している。超伝導空洞で発生するHOMパワーは、SuperKEKB加速器の2.6 Aという大電流ビームによりKEKB加速器の2倍以上と推測される。主に、空洞からビームの下流方向へ抜け出るHOMパワーが下流の空洞への負荷となると考えられる。対策としてSiC吸収体を用いたHOMダンパーを1台製作し、試験的に空洞下流のビームパイプに設置した。Phase-2のビーム運転においてHOMパワー吸収の実証試験を実施している。本稿では、超伝導空洞のPhase-2における運転状況とSiC製HOMダンパーのビーム試験結果について報告する。