WEP042  粒子源  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
永久磁石を用いた小型ECR H+イオン源
Compact ECR H+ ion source with permanent magnet
 
○竹内 佑甫,頓宮 拓,岩下 芳久(京大化研)
○Yusuke Takeuchi, Hiromu Tongu, Yoshihisa Iwashita (Kyoto ICR)
 
現在、永久磁石を使用した小型ECR H+イオン源を開発中である。ECR H+イオン源では、H+だけでなく、分子状イオンも同時に生成される。陽子線形加速器への利用を想定しているため、イオン源から引き出されるビームのH+比率は可能な限り高いことが望まれる。このため、イオン源から引き出されるビームのイオン種の割合を分析しながら、H+の割合が増加するように多くのパラメータ(磁場分布、ガス圧、マイクロ波出力など) を最適化する必要がある。これまで電磁石やウィーンフィルターとファラデーカップを用いた質量分析器が用いられていたが掃引による各イオン種毎の計測が必要であり、一回の測定に数十分かかり非効率であった。この問題を改善するために、永久磁石と多数の電極を用い、複数のイオン種を同時に分析可能なリアルタイム質量分析器を開発し、実際に質量分析を行ってパラメータの最適化を図っている。今回はその現状について報告するとともに今後の展望について言及する。