WEP036  粒子源  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
iBNCT用LaB6フィラメント・マルチカスプイオン源の開発状況
Status of development on LaB6 filament multi-cusp ion source for iBNCT
 
○柴田 崇統,高木 昭,池上 清,南茂 今朝雄,内藤 富士雄,小林 仁,栗原 俊一,本田 洋介,佐藤 将春,杉村 高志(高エネ研),大越 清紀,神藤 勝啓(原研)
○Takanori Shibata, Akira Takagi, Kiyoshi Ikegami, Kesao Nanmo, Fujio Naito, Hitoshi Kobayashi, Toshikazu Kurihara, Yohsuke Honda, Masaharu Sato, Takashi Sugimura (KEK), Kiyonori Ohkoshi, Katsuhiro Shinto (JAEA)
 
KEK、筑波大学、茨城県が共同で進める茨城ホウ素中性子捕捉治療(iBNCT)開発の一環として、大電流の陽子ビームを生成可能な8 MeVリニアックの調整が進められている。ビームの大電流化は、(1) 施設検査条件;平均電流1mA、(2) 第1期治験条件;平均電流1.3mA、(3) 第2期治験条件;平均電流5mAの3段階に分けて進められており、現在は第1期治験条件を達成しつつある。しかし平均5mAには、繰返し100Hz・パルス幅1msとするとピーク電流値で50mAが要求される。更にLEBTと空洞の透過率を考慮すると、イオン源からは10-20%ほど高い出力が必要とされるため、イオン源出力としては約60mAが必要で、現行イオン源では達成が難しい。 このような大出力ビームを生成するため、新たなアーク放電型イオン源製作を開始している。イオン源はマルチカスプのチャンバにLaB6(六ホウ化ランタン)製のフィラメントを取り付けた構造を取る。フィラメント陰極には、直流電流を印加し、陽極との間にパルス電圧を印加することで、アーク放電による水素プラズマを生成する。テストスタンドでは、イオン源直下の静電加速部で50keVに加速したビーム電流値をファラデーカップにて測定する。本発表では、イオン源の詳細、およびテストスタンドの準備状況、運転パラメータを変更した試験結果について、報告する。