WEP029  光源加速器  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
あいちSRにおけるAPPLE-Ⅱ型アンジュレータ運転中の不安定性の解析
Study of beam instability caused by vertical polarization mode of APPLE-II undulator in AichiSR
 
○木村 圭吾(名大工院),保坂 将人,石田 孝司,真野 篤志,高嶋 圭史(名大SR ),大熊 春夫(JASRI/SPring-8),加藤 政博(分子科学研究所極端紫外光施設)
○Keigo Kimura (Graduate School of Eng. Nagoya Univ.), Masahito Hosaka, Takashi Ishida, Atsushi Mano, Yoshifumi Takashima (SR Center, Nagoya Univ.), Haruo Ohkuma (JASRI/SPring-8), Masahiro Katoh (UVSOR Facility, Institute for Molecular Science)
 
あいちシンクロトロン光センター(あいちSR)の電子蓄積リングには水平偏光、垂直偏光、円偏光の各偏光の準単色な放射光を得ることが可能なAPPLE-Ⅱ型アンジュレータが設置されている。しかしアンジュレータを縦偏光モードで運転した場合、アンジュレータギャップが35mm以下になると電子ビームに水平方向の結合型ビーム不安定性が起こり最終的に電子ビームが失われる現象が観測されている。この不安定性はアンジュレータ中を進む電子が感じる多極磁場が影響して生じていると考えられる。そこで実験及びシミュレーションによってアンジュレータの多極磁場について研究を行った。縦偏光モードのアンジュレータ中に発生している多極磁場を求めるため、三次元磁場計算ソフトRADIA を用いてアンジュレータ中の磁場を計算し電子ビーム軌道計算を行った。多極磁場の影響はベータトロンチューンシフトに現れるので、あいちSRでアンジュレータを縦偏光モードで運転中に電子軌道を計測し、そこからベータトロンチューンシフトを算出した。シミュレーションと計測値のベータトロンチューンシフトを比較することにより、縦偏光モードのアンジュレータに四極磁場よりも高次な多極磁場が発生していることが判明した。今後は多極磁場が結合型ビーム不安定性を引き起こす原因について調べ、さらには不安定性を抑制する方法について検討する予定である