WEP025  光源加速器  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
SAGA-LS電子蓄積リング入射不調要因の特定
Investigation of the primary factor in the beam injection trouble at the SAGA-LS storage ring
 
○岩崎 能尊,高林 雄一,金安 達夫,江田 茂(九州シンクロトロン光研究センター)
○Yoshitaka Iwasaki, Yuichi Takabayashi, Tatsuo Kaneyasu, Shigeru Koda (SAGA-LS)
 
SAGA-LS電子蓄積リングにはリニアックにより255 MeVまで加速された電子が入射される。約300 mA蓄積後にリング内で1.4 GeVまで加速を行う。超伝導ウィグラー励磁、ビームサイズ調整等を行った後、放射光を用いたユーザー運転が開始される。近年、入射の不調によりユーザー運転開始時刻が遅れるケースが増加した。入射キッカー電磁石電源の1台に出力タイミングの異常があったためにこれを修理したが入射不調の問題は完全には解決されなかった。入射不調の他の要因は蓄積リング電磁石電源の入射エネルギーにおける動作不安定性であると推定し、入射エネルギーでの主要電磁石電源出力値と入射状況の関連性を調査した。調査の結果、蓄積リング4極電磁石電源のひとつであるQD1電源の出力値が10^-3オーダーで変動する場合があり、この場合に入射が不調となることが判明した。QD1電源の入射エネルギーでの動作不安定性を抑制した結果、入射は良好となった。入射不調の主要因はQD1電源の入射エネルギーにおける動作不安定性であることが判明し、電源改修により近年の入射不調の問題は解決された。本会議において、入射不調の要因特定プロセス、電磁石電源安定性モニタリング、電源の改修内容について報告する。