WEP024  光源加速器  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
極短周期アンジュレータ開発のための精密磁場測定
Precise magnetic field measurement for development of very short period undulators
 
○益田 伸一,山本 樹(高エネ研)
○Shinichi Masuda, Shigeru Yamamoto (KEK)
 
極短周期アンジュレータの開発が進められている。周期長はミリメートルオーダーであり、従来のアンジュレータの約1/10となる。周期長が極端に短くなると、従来のアンジュレータの様な磁石ブロックを並べてアンジュレータ磁場を作る方法では、精度を保ったまま短周期化することが難しくなる。そのため、パルス電磁石によって薄い板状磁石に帯状にN極とS極を交互に着磁する新しい方法を考案した。これらの方法によって作られるアンジュレータ磁石の評価のため、精密磁場測定装置を製作した。 精密磁場測定装置は、リニアモーターで駆動するエアスライド式のステージによって、アンジュレータのギャップに挿入したホール素子をビーム軸方向にスキャンし、アンジュレータ磁場の空間分布を測定する。エンコーダーの分解能は0.1μmの精度であり、駆動パルスに同期して位置情報とホール素子出力をPCに取り込む。磁場の精密測定のためにはホール素子出力のノイズ除去が重要になる。主なノイズ源はエアスライダを駆動するサーボパックからのスイッチングノイズであり、測定系の電磁シールド、ノイズカットトランス、リアクトルによるノイズ除去、および取り込んだデータのデジタルフィルタによる処理等、複数の方法でノイズ除去を試みている。現在、磁場の3次元空間分布測定を行うソフトウェアを開発して精密磁場測定試験を実施している。