WEP015  ハドロン加速器  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
J-PARC主リング主電磁石用電源のコンデンサバンクのためのヒューズ溶断試験
Fuse arcing test for capacitor bank of main magnet power supply in J-PARC MR
 
○森田 裕一,栗本 佳典(高エネ研),佐川 隆(ユニバーサルエンジニアリング),下川 哲司,内藤 大地,三浦 一喜(高エネ研),吉野 達也(ニチコン草津(株))
○Yuichi Morita, Yoshinori Kurimoto (KEK), Ryu Sagawa (Universal Engineering), Tetsushi Shimogawa, Daichi Naito, Kazuki Miura (KEK), Tatsuya Yoshino (NICHICON (KUSATSU) CORPORATION)
 
J-PARC主リングでは繰り返し周期を2.5sから1.3sへ短縮し、ビームパワーを現状の490kWから750kW以上へ増強することが計画されている。高繰返し化に伴って、主電磁石の励磁エネルギーを起因とする系統の電力変動増加が問題となる。高繰返し化のために新規開発した主電磁石電源では、大容量のコンデンサバンクによるエネルギー貯蔵方式を採用して系統の電力変動を抑制する。偏向電磁石電源1台のコンデンサバンクは、6モジュールで構成されており、1モジュールあたりの静電容量が480mFとなるようコンデンサを多重並列に接続した設計になっている。最大充電エネルギーは0.7MJ (1650V充電)である。2モジュール毎に1台の40フィート海上コンテナ内にインストールされている。大きな充電エネルギーを扱っているため、安全設計に特に注意を払った。内部短絡の防止を目的として、セグメント化した蒸着パターンを持つセルフヒーリングタイプの乾式フィルムコンデンサを使用する。各コンデンサには直列に50mΩの抵抗が接続されており、短絡したコンデンサへ流れ込むエネルギーを安全に消費する。さらに20mF毎(コンデンサ4台)にヒューズ1本を取り付けることで、短絡による被害を抑える。本設計ではヒューズの信頼性が重要となるため、溶断試験を行いヒューズが設計通り働くことを確認した。本報告ではコンデンサバンクの設計とヒューズ溶断試験について述べる。