WEP009  電子加速器  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
Mo-99/Tc-99m製造用Sバンド電子リニアックの設計検討
Design study of an S-band electron linac dedicated to Mo-99/Tc-99m
 
○井上 佳徳(東京大学),山本 昌志(アキュセラ),ジャン ジェウン,上坂 充(東京大学)
○Yoshinori Inoue (Univ. of Tokyo), Masashi Yamamoto (Accuthera), Jaewoong Jang, Mitsuru Uesaka (Univ. of Tokyo)
 
現在、日本は核医学の検査に最も多く使用されているテクネチウム(Tc-99m)を100%輸入に頼っている。その輸入には様々なコストがかかるので99mTcおよびその親核であるモリブデン(Mo-99)の国内生産の実現が望まれており、加速器を使った99Mo/99mTcの製造が様々な研究所などで検討されている。 我々は国内生産の約1/10を賄える製造量の、35MeV/35kW-Sバンド電子リニアック99Mo/99mTc製造システムを基本設計する。これまでの我々の検討から、ビームエネルギー35MeVで平均出力30kWの電子ビームであれば、国内の99mTcの製造がまかなえることが分かっている。この電子ビームを供給する加速器を適切なコストとサイズで製作する必要がある。これらを検討するために、我々は加速器(電子リニアック)の設計を開始した。クライストロンの最適なスペックを決め、加速管のパラメーターを算出することからはじめた。それを元にビームシミュレーションを進めている。ハイパワーの電子ビームによる不要な放射線発生は極力避けなくてはならない。最終的には、三次元RFシミュレーションにより加速管の形状を決める予定である。さらに、ビームインスタビリティの検討も必要と考えている。本学会では、これらの検討により得られた加速器の基本設計を示す。