WEP008  電子加速器  8月8日 大展示ホール 13:10 - 15:10
KEK電子陽電子入射器におけるビーム位置同期計測システム
Synchronized beam position measurement system for the kek e-/e+ injector linac
 
○佐藤 政則,宮原 房史,諏訪田 剛,古川 和朗(高エネ研),大房 拓也,早乙女 秀樹(関東情報),工藤 拓弥,草野 史郎(三菱電機システムサービス)
○Masanori Satoh, Fusashi Miyahara, Tsuyoshi Suwada, Kazuro Furukawa (KEK), Takuya Ohusa, Hideki Saotome (KIS), Takuya Kudou, Shiro Kusano (MELSC)
 
KEKの電子陽電子入射器は,SuperKEKB電子,陽電子,陽電子ダンピングリング,PF,およびPF-ARリングという5つの異なるリングへビームを供給している.安定なビーム供給を実現するために,約100台の非破壊型ビーム位置モニタが設置されている.本モニタにより,ビーム位置のみならずバンチ電荷量の情報を計測し,それらの情報は,ビーム位置,およびビームエネルギーフィードバックに供されている.SuperKEKB向けの最終的な入射ビーム仕様としては,バンチ電荷量4 nCかつ規格化射影エミッタンス20 mmmrad以下であることが要求されている.このため,加速器機器の精密アライメントと並び,ビーム位置を高精度に安定化させる必要がある.このため,VMEバスを基盤とした帯域制限信号処理回路による高精度ビーム位置読み出し装置を開発,設置し,運用している. 本入射器では,パルスごとに入射先のリング,ひいては要求されるビームの質が異なるため,すべてのビーム位置モニタからのショットごとに同期したデータ計測が不可欠となる.そこで,タイミングシステムから配信されるビームショット番号を基に,同期したビーム位置,および電荷量情報を収集するためのシステム構築をおこない,運用している.本発表では,KEK電子陽電子入射器における同期ビーム位置計測システムの詳細について報告する.