WEOM08  電磁石と電源1  8月8日 特別会議室2 17:50 - 18:10
電磁石用高精度電源に向けたデジタル制御システムの開発
Digital feedback system for high precision magnet power supply
 
○近藤 力,佐治 超爾,深見 健司,高野 史郎,渡部 貴宏(JASRI / 理研SPring-8),福井 達,稲垣 隆宏,田中 均(理研 SPring-8),中澤 伸侯(スプリングエイトサービス),鈴木 幸雄,佐々木 伸一,寿田 一男(工藤電機),片倉 直哉,進藤 勉(大倉電気)
○Chikara Kondo, Choji Saji, Kenji Fukami, Shiro Takano, Takahiro Watanabe (JASRI / RIKEN SPring-8 Center), Toru Fukui, Takahiro Inagaki, Hitoshi Tanaka (RIKEN SPring-8 Center), Shingo Nakazawa (SPring-8 Service), Yukio Suzuki, Shinichi Sasaki, Kazuo Suda (KUDO ELECTRIC CO.,LTD.), Naoya Katakura, Tsutomu Shindo (Ohkura Electric Co., Ltd. )
 
大型加速器の建設では、電磁石電源に対し開発期間の短縮や開発コストの低減だけでなく、保守管理費の低減も求められている。特にDC電磁石電源では、出力極性や電力容量、負荷インピーダンスに応じた多種多数の電源が必要であるため、コモンアーキテクチャを用いた統一的な開発が効果的である。また、システムを統一化することで予備品やメンテナンス作業も共通化がなされ、保守管理費の削減につながる。一方で、電源出力に要求される精度は年々高くなっており、これを従来のようなアナログ制御技術によるフィードバック制御を用いると、個々の電源の特性に合わせた設計や調整に多くのコストや時間が必要となる。これらを解決する手段として、我々はデジタル制御技術を用いて、汎用性が高く、かつ10ppm(pk-pk)という高精度の電流制御が可能なシステムの開発を行った。このシステムは、24bitADCを用いた高精度AD変換回路と、PID制御とPWM制御をデジタル処理で行えるFPGAで構成され、これを多種の電源にフィードバック制御回路として組み込んで使用する。今回、我々はシステムの実証実験を行ない、AD変換回路では測定精度1ppmを実現した。また、この回路を組み込んだデジタル制御DC電源(200A, 30V)では、電流リップル9ppm(pk-pk)の高精度を達成した。本発表では、システムの概要と結果、そしてデジタル制御システムの普及への取り組みを述べる。