WEOM06  電磁石と電源1  8月8日 特別会議室2 17:10 - 17:30
永久磁石ベース偏向磁石のSPring-8入射輸送ラインでの実ビーム性能検証
Performance verification of permanent dipole magnet in beam operation of SPring-8 beam injection transport
 
○青木 毅,谷内 努,松原 伸一,柳田 謙一(高輝度光科学研究センター),高野 史郎,深見 健司,渡部 貴宏(高輝度光科学研究センター/理化学研究所放射光科学研究センター)
○Tsuyoshi Aoki, Tsutomu Taniuchi, Shinichi Matsubara, Kenichi Yanagida (JASRI), Shiro Takano, Kenji Fukami, Takahiro Watanabe (JASRI / RIKEN SPring-8 Center)
 
低エミッタンスを追求しマルチベンド化が進む高輝度リング型光源をはじめ次世代加速器の開発において、偏向磁石の永久磁石化は、電源や冷却系設備を不要とし電力消費削減、故障頻度低減、振動抑制によるビーム安定化等多くのメリットを生む重要な要素技術となる。我々は、SPring-8次期計画に向けた永久磁石ベース偏向磁石開発の成果の集大成となる実使用環境のもとでの性能実証機として、SPring-8のブースターシンクロトロンから蓄積リングへのビーム輸送ラインに用いる偏向磁石を開発し、蓄積リングへのビーム入射部に設置して実ビーム運用を開始した。永久磁石に特有の課題である、環境温度変化による磁場変動、近接する機器と漏洩磁場との干渉、経時的あるいは放射線照射による減磁等に関して、これまで行ってきた原理実証試験を踏まえ、本偏向磁石を蓄積リング本体と同一の環境下で実運用することで性能を実証する。本発表では、SPring-8蓄積リングの入射ビーム輸送ラインで実運用を開始した永久磁石ベースの偏向磁石について、設計・製作、磁場測定による性能評価、実ビーム運転からの経験について報告する。