WEOL01  加速構造  8月8日 特別会議室1 15:20 - 15:40
加速空洞内部の直接観察によるブレークダウン引き金機構の解明研究
Experimental RF breakdown study based on direct In-situ observation of normal-conducting accelerating cavities
 
○阿部 哲郎,影山 達也,坂井 浩,竹内 保直,吉野 一男(高エネ研)
○Tetsuo Abe, Tatsuya Kageyama, Hiroshi Sakai, Yasunao Takeuchi, Kazuo Yoshino (KEK)
 
常伝導高周波加速空洞は、多くの粒子加速器において心臓部となるコンポーネントであり、その空洞内における大局的真空放電(空洞ブレークダウン)発生が加速器の性能を制限する大きな要因となり得るが、空洞ブレークダウンを引き起こすメカニズム(ブレークダウン引き金機構)は未だ解明されていない。我々は、近年、UHF帯連続・定在波の常伝導加速空洞において、高電界試験中にその内部を直接観察する手法が有用な研究手段となることを実証した。特に、多くの空洞ブレークダウンの瞬間において、大電力運転中に空洞内表面に現れていた「輝点」のひとつが「爆発⇒消滅」することを発見した。つまり、そのような輝点の物理的性質を理解することが、ブレークダウン引き金機構の解明へのヒントとなると考えられる。今回、新たに高性能カメラ(ハイスピードカメラ、及び、ハイパースペクトルカメラ)を使って、大電力試験中の空洞内部をより詳細に観察した。その結果、及び、考えられるブレークダウン引き金機構の物理モデルについて報告する。