THP131  加速器応用・産業利用  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
大阪重粒子線センターにおける初期ビーム調整
BEAM COMMISSIONING AT OSAKA HEAVY ION THERAPY CENTER
 
○野田 文章,えび名 風太郎,中島 裕人,宮原 建人,野村 拓也,遠竹 聡(日立製作所)
○Fumiaki Noda, Futarou Ebina, Hiroto Nakajima, Kento Miyahara, Takuya Nomura, Satoshi Totake (Hitachi Ltd.)
 
大阪重粒子線治療センターがん治療装置は重粒子ライナックとシンクロトロンからなる加速器系と水平/垂直ポート2室、水平/45度ポート1室の計3室6ポートのビーム輸送・照射系で構成されている。ビーム調整は2017年9月中旬から開始し、2018年3月末に3室6ポートの基本調整を終え顧客側調整(クリニカルコミッショニング)が開始された。本装置の加速器系の特徴は、シンクロトロンを2回対称することでデッドスペースを減らすとともに、出射ラインの水平発散用四極電磁石の密度を上げることにより取り出し機器を小型化することで周長を短くしている点である。また入射用ライナックをシンクロトロン内周側に設置することで加速器全体の設置面積を小さくしたことも特徴の一つである。照射に関しては一度の加速で複数のエネルギーのビーム取り出しを可能としたスキャニング専用装置となっており、水平/垂直ポート1室、水平/45度ポート1室では動体追跡照射が可能である。今回の報告では本装置の光学設計とビーム調整について報告する。