THP119  真空  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
J-PARC主リングシンクロトロン真空系は10年で老朽化しているか?
After 10 years, is there any aging deterioration of vacuum system at J-PARC MR?
 
○魚田 雅彦,堀 洋一郎(高エネ研)
○Masahiko Uota, Yoichiro Hori (KEK)
 
J-PARC主リングシンクロトロン(以下MR)の真空機器は、2006年夏からある程度連続的に繋がった場所から部分的に立ち上げ始め、最終的にリング一周が繋がり全周を主排気システムのイオンポンプのみで排気運転を始めたのはビーム運転が始まるひと月前の2008年4月である。以来10年間以上の現在に至るまで、新規に機器をインストールする場合にゲートバルブで区切られた小領域を最長数ヶ月大気曝露する時間以外のほとんどの期間は真空に保つことができている。一方、周方向の圧力分布はざっくり1e-8〜1e-5Paと3桁に亘っており、圧力が常時高い場所のポンプ、ゲージは劣化の程度が圧力の低い場所に比べて相当に進んでいることが予想される。今回、運転開始から10年が経過したMRの真空機器の老朽化について一部の評価を行う試みをする。具体的には、主排気のためのイオンポンプ、真空の圧力を常時測定しているB-Aゲージについて、測定値および排気履歴を大気曝露履歴および真空機器内容物(in-vacuum電磁石等)との関係において評価を試みたので紹介する。