THP111  真空  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
Slow pumping and venting systemの開発
Development of Slow pumping & venting system
 
○阪井 寛志,梅森 健成,加古 永治,許斐 太郎(KEK),今田 信一,山田 浩気(NAT)
○Hiroshi Sakai, Kensei Umemori, Eiji Kako, Taro Konomi (KEK), Shin-ichi Imada, Hiroki Yamada (NAT)
 
超伝導空洞において、空洞内の微小な埃や異物の混入は、空洞内面からの電解放出(Field emission)を誘起し、大量の放射線を発生させ、性能劣化を引き起こす原因となる。これらの埃混入を回避するために、これまでに縦測定と呼ばれる空洞単体の性能評価試験では、ISO class 4以上のクリーン度を持つクリーンルーム内で空洞表面処理及び空洞の組み立て作業を行い、ゴミ混入の回避に対して細心の注意をしており、縦測定で35 MV/m以上の高い加速勾配を持つ空洞性能を実現してきた。 これらの空洞の性能を、加速器としてビームラインに組込む際は超伝導空洞をクライオモジュールと呼ばれる断熱槽に入れる必要がある。すなわち、縦測定で性能が出た超伝導空洞を加速器建設現場でクライオモジュールに入れるべく再度空洞組立作業を行う必要がある。現在、クライオモジュールでのfield emissionによる性能劣化が世界中の超伝導空洞の性能劣化の問題となっている。これらの改善のために、真空作業として、周りの環境によらず、ゴミの混入を許さない排気システムの確立が必要となる。 本研究はそのような超伝導空洞の性能を最初の縦測定での作業から、加速器建設現場などのクライオモジュール組立時の真空作業において、slowな排気とventを行い、ゴミの混入を回避するためのシステムである。その装置の概要と、装置を用いた真空排気時およびvent時のゴミ混入のテストについて紹介する。