THP109  レーザー  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
クラブ衝突レーザーコンプトン散乱のためのYb系レーザーシステム開発
Development of Yb-based laser system for crab crossing laser-Compton scattering
 
○森田 遼介,小柴 裕也,太田 昇吾,坂上 和之,鷲尾 方一(早稲田大学 理工学術院総合研究所),東口 武史(宇都宮大学),浦川 順治(高エネルギー加速器研究機構)
○Ryosuke Morita, Yuya Koshiba, Shogo Ota, Kazuyuki Sakaue, Masakazu Washio (Research Institute for Science and Engineering, Waseda University), Takeshi Higashiguchi (Utsunomiya University), Junji Urakawa (High Energy Accelerator Research Organization)
 
レーザーコンプトン散乱とは電子加速器により生成された電子ビームとレーザーパルスの衝突により高品質なX線を生成する現象である。散乱光量は正面衝突時に最も高くなるが、光学素子と電子ビームが接触することから有限角衝突となり、散乱光量は低下する。そこで、この課題を解決するため本研究では散乱光量増加のために疑似的に正面衝突を作り出すクラブ衝突の実証試験を計画している。この時電子ビームを衝突角の半分だけ傾けた時、散乱光量が最も多くなる。レーザー光に対して傾きを与えないクラブ衝突において、高強度・高品質・超短パルスの性能を持つ衝突用レーザーを用いることで効率的に散乱光量の増加が見込める。そこで我々は衝突用レーザーとしてセラミクスのThin Diskを用いた再生増幅器を導入し、レーザーシステム開発を行った。Thin Diskとはディスク状の利得媒質であり、熱消散性に優れ高効率で高品質なビームを生成することができる。また、レーザーシステムにCPA(Chirped Pulse Amplification)法を用いることで非線形効果と増幅器中の光学素子の損傷を抑えることができる。本講演ではクラブ衝突に向けたレーザーシステム開発の現状及び今後の展望について報告する。