THP108  レーザー  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
レーザーコンプトン散乱ガンマ線による高速陽電子材料検査
Material Inspection by positron generated by LCS gamma-ray
 
○宮本 修治(兵庫県立大学高度産業科学技術研究所),杉田 健人,堀 史説(大阪府立大学工学研究科),寺澤 倫孝(兵庫県立大学高度産業科学技術研究所),岩瀬 彰宏(大阪府立大学工学研究科),天野 壮,橋本 智(兵庫県立大学高度産業科学技術研究所)
○Shuji Miyamotoi (Laboratory of Advanced Science and Technology for Industry, University of Hyogo), Kento Sugita, Fuminobu Hori (Graduate School of Engineering, Osaka Prefecture University), Mititaka Terasawa (Laboratory of Advanced Science and Technology for Industry, University of Hyogo), Akihiro Iwase (Graduate School of Engineering, Osaka Prefecture University), Sho Amano, Satoshi Hashimoto (Laboratory of Advanced Science and Technology for Industry, University of Hyogo)
 
ニュースバル放射光施設のレーザーコンプトン散乱ガンマ線源を用いて、高速陽電子を発生し、これを用いた材料の欠陥検査手法の開発を行っている。高速陽電子を、材料中に入射すると、材料中で衝突により短時間で熱化し、材料中の空孔欠陥に高速にトラップされ、近隣の電子と対消滅を起こす。このとき、材料の欠陥密度や欠陥サイズに依存して、陽電子寿命や、消滅ガンマ線スペクトルが変化する。ガンマ線から陽電子の生成効率は高く、17MeVガンマ線ペンシルビームと鉛標的との相互作用断面積は、対生成陽電子発生が80%以上である。しかしながら、生成した陽電子を標的外部へ取り出し、検査対象材料に入射するためには、陽電子透過のために薄い標的を用いる必要があり、3mmの鉛標的では、生成効率は3%程度になる。陽電子のエネルギーは、ガンマ線エネルギーから電子陽電子の質量エネルギーを差し引いた残りが、両電子に分配されるため、1から16MeVの広いスペクトルを持ち、最大強度は8MeV付近となる。これをエネルギー選別してもちいると、さらに低効率になる。現在、利用効率を向上するために、検査対象材料をガンマ線標的として用い、陽電子生成と検査を同時に行う手法を試験している。この手法で計測時間を短縮するとともに、今後材料深さ方向の位置分解計測法を試験する。