THP104  LLRF  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
SuperKEKB入射器のRFモニタシステムによるRF源診断
RF source diagnosis using RF monitor system in SuperKEKB injector linac
 
○片桐 広明,明本 光生,荒川 大,チュウ フェン,松本 利広,三浦 孝子,矢野 喜治(高エネ研)
○Hiroaki Katagiri, Mituo Akemoto, Dai Arakawa, Feng Qiu, Toshihiro Matsumoto, Takako Miura, Yoshiharu Yano (KEK)
 
KEK電子陽電子入射器では、SuperKEKB計画に対応するためRFモニタシステムを更新した。新たに開発したRFモニタユニットについては、FPGAに組み込んだ高速シリアル通信回路の誤動作や、電磁ノイズの影響による測定精度の悪化が判明したため対策を施し、当初導入したSバンド用60台に加え、サブハーモニックバンチャー用(114 MHz 及び 571 MHz)の運用も開始した。現在は主要なハードウェアの整備を終え、ソフトウェアの開発を進めている。RFモニタユニットは50 Hzで運転されるRF源の全パルスを測定しており、EPICSによりアーカイブされたデータは入射器のビーム調整やRF源の長期的な安定性の確認などに利用されている。さらに、異常時の原因究明に役立てる目的で、セーフティインターロックによる大電力RF源のトリップや、クライストロン出力のパルス欠けを検知し、現象が発生する数周期前からのRFパルス波形を保存するプログラムを試験的に運用している。また、ビーム誘起波の位相を測定することで、RF源の位相調整を行う試みもなされている。RFモニタシステムの運用状況について、RF源診断用ソフトウェアの整備を中心に報告する。