THP093  加速器制御  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
MQTT broker間のデータ受け渡しによるIoTシステムの実現
Implement of IoT system for delivery data between two types MQTT broker
 
○石塚 規友紀(日立造船株式会社),福井 達(理研),清道 明男(高輝度光科学研究センター)
○Miyuki Ishizuka (Hitachi Zosen Corp.), Toru Fukui (RIKEN), Akio Kiyomichi (JASRI)
 
現在、産業界における様々な問題―例えば人材不足や技術継承―を解決する方法としてIoT技術の利用は浸透しつつあると思われる。施設内に配置したセンサーからデータや機器の稼働情報を収集し、リアルタイムに分析することで設備監視や不良予知に役立てることができる。その際に利用される通信規格で現在のデファクトスタンダードの一つにMQTTがある。SPring-8では収集データの一つである収納部内の温湿度データについて、温湿度センサーを搭載したArmadillo上で周期的に測定値を取得し続けるプログラムを動作させ、取得データをMQTTブローカーへ送信するエッジデバイスを作成し収納部内に多数配置した。さらにデータ収集VME上にブローカーを置き、ブローカーからデータを取得してデータベースに格納するプロセスなどを作成した。この構成の目的はブローカーを含めて1つの機器とみなしてデータを扱うことで多数のセンサーからなるネットワークの管理性を向上させることにある。SPring-8における制御フレームワークは、昨年度から高度化に向けた準備として新システムへの移行が進められており、新しいフレームワークと上記のプロセスを組み合わせて温湿度データの収集が実現でき、現在までトラブルなく運用が続けられている。本発表では上記のシステムに加え今後の展開としてデータ取得と受け渡し処理を分離した、共有メモリ経由でのやり取りを利用した実装も紹介する。