THP086  ビーム診断・ビーム制御  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
J-PARC RCSへの入射ビームの監視とH0ダンプラインBPMの設計
Monitoring of the injected beam to the J-PARC RCS and BPM design for H0 dump line
 
○林 直樹,吉本 政弘,Saha Pranab,畠山 衆一郎(J-PARC/JAEA)
○Naoki Hayashi, Masahiro Yoshimoto, Pranab Saha, Shuichiro Hatakeyama (J-PARC/JAEA)
 
J-PARC RCSは、設計ビームパワー1 MWの速い繰返しのシンクロトロンである。2007年のファーストビームより運転を開始し、途中2014年にリニアックの入射エネルギー増強、イオン源方式の変更を経て、性能を向上し、MLF、MRへ安定的なビーム供給を続けている。 入射されるH-ビームは、入射点にある荷電変換フォイルで、H+に変換され、多重周回入射される。1%以下の変換されなかったビームは、不用意な機器の放射化防止のため、H0ダンプラインを経由しビームダンプへ導かれる。ダンプ容量は、4 kWと定格入射ビームパワー133 kWの約3%しかなく、荷電変換フォイル破損時などは、即時に停止する必要がある。突発的なビーム強度上昇に備え、電流モニタCTを使った電流監視、小さな変動についても、波形データを平均処理、特定の周波数成分を抽出し求めている。 今回、さらなる監視強化、高精度化のため、H0ダンプラインにBPMの設置を検討した。ビーム強度は、メインビームの1%以下だが、このBPMは、従来のRCSの周波数でなく、リニアック周波数324 MHzで検波することで、パルス電磁石のノイズに強くする。また、入射時間全領域での位置変化も観測し、ペイント入射状況の監視、交流四極電磁石の影響の確認を行う。さらに、信号強度の変化を調べ、荷電変換効率のより詳しい測定も行う。 本報告では、現状の入射ビーム監視について触れた後、H0ダンプラインに設置するBPMの設計、課題について述べる。