THP085  ビーム診断・ビーム制御  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
J-PARC E34 muon g-2/EDM実験: 低レートミューオンバンチ縦方向構造測定装置の開発
Development of the good time resolution monitor to measure the longitudinal structure of low-rate muon bunch for J-PARC E34 Experiment
 
○須江 祐貴(名大),大谷 将士(高エ研),北村 遼(東大),近藤 恭弘(原研),中沢 雄河(茨城大),飯嶋 徹(名大),飯沼 裕美(茨城大),河村 成肇,齊藤 直人,三部 勉,山崎 高幸(高エ研),居波 賢二(名大)
○Yuki Sue (Nagoya Univ.), Masashi Otani (KEK), Ryo Kitamura (Univ. of Tokyo), Yasuhiro Kondo (JAEA), Yuga Nakazawa (Ibaraki Univ.), Toru Iijima (Nagoya Univ.), Hiromi Iinuma (Ibaraki Univ.), Naritoshi Kawamura, Naohito Saito, Tsutomu Mibe, Takayuki Yamazaki (KEK), Kenji Inami (Nagoya Univ.)
 
ミューオンの基本的な物理量であり、新物理に対して高い感度を持つ異常磁気能率g-2の実験値は素粒子標準理論の予測から3.7σの乖離が見えている。その検証のためにJ-PARC E34 g-2/EDM実験では先行実験とは異なる実験セットアップを用いて高精度の測定を目指す。この実験では極低温ミューオンを212MeVまで再加速することで低エミッタンスのミューオンビームを実現し主要な系統誤差の削減を行う。ミューオン加速の実証試験として2017年10月にはRFQを用いた世界初のミューオン高周波加速を実証し、その後のビームテストでは横方向のビームプロファイルの測定を行った。一方で縦構造の測定は、後段加速器との接続などビームライン構築にも必要な技術となるが、方法が確立しておらず未だ測定できていない。試験段階では低レートとなるミューオンバンチを加速位相の1%に当たる数十psecの時間分解能で計測する必要がある。そのために、1ミューオンが検出可能なMCP検出器と信号電荷量に依存した時間分解能悪化を抑えるCFD回路を用いた高時間分解能な測定系を開発する。測定系の校正ためにピコパルスレーザーによる光電子を用いたテストベンチを構築することで要求の時間分解能を実現する。本発表では89 keVミューオンビームを用いて行う11月のビーム試験に向けたこれらの測定系の開発・準備状況について報告する。