THP084  ビーム診断・ビーム制御  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
紫外光由来負水素イオンビームを用いたミューオンRF加速試験用 診断ビームラインの試運転
Commissioning of the diagnostic beam line for the muon RF acceleration with negative hydrogen ion beam derived from the ultraviolet light
 
○中沢 雄河,飯沼 裕美(茨城大),大谷 将士,河村 成肇,三部 勉,山崎 高幸(高エネ研),北村 遼(東大),近藤 恭弘(原研),齊藤 直人(J-PARCセンター),須江 祐貴(名大)
○Yuga Nakazawa, Hiromi Iinuma (Ibaraki Univ.), Masashi Otani, Naritoshi Kawamura, Tsutomu Mibe, Takayuki Yamazaki (KEK), Ryo Kitamura (Univ. of Tokyo), Yasuhiro Kondo (JAEA), Naohito Saito (J-PARC center), Yuki Sue (Nagoya Univ.)
 
素粒子標準模型を超えた物理として、ミューオンの異常磁気能率(g-2)がある。ミューオンg-2はブルックヘブン国立研究所での先行実験により0.54ppmという高精度で測定され、標準模型の理論値から3.7σの乖離が存在することを示した。先行実験ではパイオン崩壊から得たエミッタンスの大きいミューオンビームを蓄積するために収束電場を必要とした。対してJ-PARC E34実験では超低速ミューオンの再加速により、低エミッタンスのミューオンビームを生成し、ビーム蓄積に収束電場を必要としない手法をとることで、先行実験における系統誤差を削減し、高精度な測定を計画している。要素技術の開発の一つとしてミューオン高周波加速試験を2017年10月に実施した。この加速試験ではミューオンビームを金属薄膜標的に照射して負ミューオニウムイオン(Mu-)を生成し、静電加速収束器、RFQによってMu-を89keVまで加速する。加速試験に先立ち、紫外光を金属薄膜に照射することで発生した負水素イオン(H-)を用いることで四極電磁石や偏向電磁石から成る診断ビームラインの調整運転を実施した。本講演では調整運転に用いたH-イオンビームの測定、Mu-の輸送・運動量選別に必須である電磁石の調整を行った結果について報告する。