THP080  ビーム診断・ビーム制御  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
大強度陽子加速器のための標的上のプロファイルモニタの開発
Development of profile monitors on target for high-intensity proton accelerators
 
○明午 伸一郎,武井 早憲,松田 洋樹(J-PARC/JAEA),百合 庸介,湯山 貴裕(QST TIARA)
○Shin-ichiro Meigo, Hayanori Takei, Hiroki Matsuda (J-PARC/JAEA), Yosuke Yuri, Takahiro Yuyama (QST TIARA)
 
30 MWを超える大強度陽子加速器加速器を用いた、加速器駆動型核変換システム(ADS)が原子力機構(JAEA)、中国等で提案されている。核破砕中性子源においても、1 MWを超えるマルチメガWの施設が提案されている。これらの施設において安定に入射するためには、標的にビームが正しく入射していることを確認する、プロファイルモニタが重要となる。J-PARCの核破砕中性子源では炭化ケイ素(SiC)のマルチワイヤからなるプロファイルモニタを用いており、0.5 MWの定常運転及び1 MWの試験運転では問題ないものの、今後の定常的な大強度運転ではワイヤの損傷が著しくなるものと考えられるため、ワイヤの損傷評価を定量的に行う事が重要となる。このため、我々はプロファイルモニタの開発の一環として、量子機構(QST)のTIARAにおいて運動エネルギ 105 MeVのアルゴンビームを用いたビーム試験を実施した。SiCワイヤによる測定結果、1 MWの半年程度の損傷に対し、ワイヤの信号はほとんど変化しないことが分かった。マルチワイヤによる測定ではプロファイルの射影しか得ることができなく二次元分布を得ることができないため、蛍光型のプロファイルモニタの試験を行った。蛍光体として、候補となるアルミナ等の物質を用い、ビーム入射に伴う発光量を測定した。この結果、発光量はビーム入射に伴い著しく減少するものの、観測する波長を適切に選択する事により劣化の改善が行えることがわかった。