THP068  電磁石と電源  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
永久磁石による縦方向磁場勾配型偏向磁石の開発
Development of permanent magnet based longitudinal gradient bend
 
○谷内 努,青木 毅,松原 伸一,柳田 謙一(高輝度光科学研究センター),高野 史郎,深見 健司,渡部 貴宏(高輝度光科学研究センター/理化学研究所放射光科学研究センター)
○Tsutomu Taniuchi, Tsuyoshi Aoki, Shinichi Matsubara, Kenichi Yanagida (JASRI), Shiro Takano, Kenji Fukami, Takahiro Watanabe (JASRI/RIKEN SPring-8 Center)
 
SPring-8-IIなどの次世代高輝度放射光源リングでは、低エミッタンス化のためラティスの分散関数に応じて偏向角を変化させることで電子ビームの量子励起を抑制する縦方向磁場勾配型偏向磁石(LGB: Longitudinal Gradient Bend)の採用が計画されている。我々は、電源や冷却水設備が不要であるため電力削減や故障頻度の低減、無振動などのメリットが期待できる永久磁石ベース偏向磁石の開発を進めており、これまでに温度補償や磁場調整機構、減磁、漏洩磁場等、永久磁石特有の課題を解決する要素技術を開発し、LGBについても原理実証機により性能を評価した。今回は新たに、SPring-8-II設計ラティスに基づいた3段階の階段状磁場を有する実機サイズの永久磁石LGB試作機を設計し製作した。階段状磁場分布を生成する磁極部のノーズ構造や磁気回路内部にシャント用可動プレートを組込んだ磁場調整機構など、これまでの原理実証の成果を反映させた。本発表では、永久磁石LGB試作機の設計・製作及び磁場測定による性能評価の結果等について報告する。