THP045  加速構造  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
ミューオン線形加速器APF方式IH-DTLプロトタイプの性能試験
Performance test of Inter-digital H-mode drift-tube linac prototype with alternative phase focusing for muon linac
 
○中沢 雄河,飯沼 裕美(茨城大),岩下 芳久(京大),岩田 佳之(放医研),大谷 将士,河村 成肇,三部 勉,山崎 高幸,吉田 光宏(高エネ研),北村 遼,安田 浩昌(東大),近藤 恭弘,長谷川 和男,森下 卓俊(原研),齊藤 直人(J-PARCセンター),須江 祐貴(名大),林崎 規託(東工大)
○Yuga Nakazawa, Hiromi Iinuma (Ibaraki Univ.), Yoshihisa Iwashita (Kyoto Univ.), Yoshiyuki Iwata (NIRS), Masashi Otani, Naritoshi Kawamura, Tsutomu Mibe, Takayuki Yamazaki, Mitsuhiro Yoshida (KEK), Ryo Kitamura, Hiromasa Yasuda (Univ. of Tokyo), Yasuhiro Kondo, Kazuo Hasegawa, Takatoshi Morishita (JAEA), Naohito Saito (J-PARC center), Yuki Sue (Nagoya Univ.), Noriyosu Hayashizaki (Tokyo Tech)
 
BNL-E821実験において、ミューオンの異常磁気能率(g-2)の実験値は素粒子標準理論の予想値から3.7σの乖離を示しており、標準理論を超えた物理が期待されている。より高精度な測定のためにJ-PARCミューオンg-2/EDM実験では先行実験とは異なる手法での実験を計画している。超低速ミューオンを線形加速器により212MeVまで再加速することで低エミッタンスのミューオンビームを実現し、先行実験における系統誤差を減らして世界最高精度0.1ppmを目指している。実験の核となるミューオン線形加速器の技術開発として、APF方式を用いたIH-DTLの開発を進めている。現在、本試験におけるプロトタイプとしてのIH-DTLのデザイン、製造が完了している。IH-DTLプロトタイプは実機と同じ動作周波数324MHzであり、ミューオンをβ=0.08から0.15まで加速させる。さらに実機と同様にビーム収束用電磁石を用いず高周波電場のみで縦横両方向の収束を行うAPF (Alternating Phase Focusing) 法を採用している。シミュレーション計算による出力ビームのエミッタンスは、水平方向および垂直方向にそれぞれ0.312π mm mradおよび0.180π mm mradである。本講演では、設計の手順と製造過程の報告、さらに基本性能の試験の結果について述べる。