THP027  光源加速器  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
日大共振器型FELにおける動的位相変調を用いた完全同期長発振シミュレーション
Simulation of Zero-Detuning Oscillation from Dynamical Phase Modulation at Nihon U. Oscillator FEL
 
○住友 洋介,早川 恭史,早川 建,野上 杏子,境 武志,高橋 由美子,田中 俊成(日大LEBRA)
○Yoske Sumitomo, Yasushi Hayakawa, Ken Hayakawa, Kyoko Nogami, Takeshi Sakai, Yumiko Takahashi, Toshinari Tanaka (LEBRA, Nihon U.)
 
日本大学電子線利用研究施設(LEBRA)における共振器型FELでは、20 us程度のパルス幅の電子ビームを用いた発振により、パルスあたり数mJの可変波長赤外光を生成しユーザー利用として提供している。アンジュレーター内での電子ビームは発生光に対して遅延があるので、共振器長を電子ビーム間隔とは同期しない離調した状態にすることで、電子ビームとの相互作用が増え、発振が行いやすくなる。この為、普段の運転時には離調した状態が用いられている。これに対し、完全同期長においての発振は、電子ビームとの相互作用が少なくなるので、発振状態まで持っていくにはかなり長いパルスが必要となっていた。だが、発振が起これば高い利得となることから、高ピークパワー・短パルスの光を生成するには良い方法である。そこで、パルスの前半では離調状態で発振が行われるようにし、パルスの途中から位相変調を適切に印加し、電子ビーム間隔と共振器長が完全同期する状態にする方法を取る。この方法により、完全同期長においても発振状態を維持することができ、高いピークパワーで数サイクルのパルス幅の光が、20 us程度の電子ビームを用いてでも生成できることが期待できる。本発表では、LEBRA-FELにおいてその性能を確認するため、動的位相変調による共振器内の発振条件の変化を、時間依存3次元FELシミュレーションで見積もりその結果を報告する。