THP023  光源加速器  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
光源蓄積リングにおけるアボートビームの損失評価
Simulation study of abort beam loss at light source storage rings
 
○高雄 勝,早乙女 光一(高輝度光科学研究センター),下崎 義人(高エ研),田中 均(理研放射光科学総合研究センター)
○Masaru Takao, Kouichi Soutome (JASRI), Yoshito Shimosaki (KEK), Hitoshi Tanaka (RIKEN Spring-8 Center)
 
最近および次世代の光源蓄積リングでは、高輝度化のため低エミッタンスの大電流ビームが蓄積されており、これを廃棄する際には機器に損傷を与えないよう配慮する必要がある。また、より強い放射光発生のため、狭ギャップ真空封止挿入光源の利用が広がっており、IDの減磁防止のためアボートビームによるIDの損傷も評価しなければならない。通常、電子蓄積リングのビームアボートは加速RFをオフすることによって行われるが、エネルギー供給の途絶えた電子ビームは、シンクロトロン放射によりエネルギーを失っていき、真空容器内壁に衝突して失われる。この間、結合があると水平方向の変位は垂直方向に回り込み、アボートビームの一部はIDに衝突することがある。IDの減磁防止、機器保護のため、アボートビームの損失分布を詳細に評価する必要があり、現在のSPring-8蓄積リングと次世代光源リングに対して、particle tracking simulationによりこれを実施した。その結果、光源リングのlatticeパラメーターによっては強く結合共鳴が励起され、IDでの損失が増加することが分かった。ここでは、これら損失評価について報告する。