THP021  光源加速器  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
次世代ガンマ線源のための帯域可変ガンマ線分光器の開発
Development of a variable-bandwidth monochromator for next-generation gamma sources
 
○羽島 良一,早川 岳人,静間 俊行,沢村 勝,永井 良治(量研),宮本 修治(兵庫県立大),松葉 俊哉(広島大)
○Ryoichi Hajima, Takehito Hayakawa, Toshiyuki Shizuma, Masaru Sawamura, Ryoji Nagai (QST), Shuji Miyamoto (U. Hyogo), Shunya Matsuba (Hiroshima U.)
 
ブラッグ回折に基づく二結晶分光器はX線領域で広く用いられているが、短波長ほど角度アクセプタンスが小さくなるために、1 MeV 以上のガンマ線領域では実用的でなく、もっぱら、エネルギー分解型検出器を用いた分光実験が行われてきた。われわれは、低エミッタンス電子ビームを利用したレーザー・コンプトン散乱による次世代ガンマ線源(LCSガンマ線源)では、高輝度のガンマ線が得られるようになり、結晶分光器の利用も再検討するべきと考えた。そこで、LCSガンマ線源のビーム発散角にマッチしたアクセプタンスを持つ新たな回折素子として櫛歯型結晶を考案し、これを用いた二結晶分光器の開発をスタートした。本分光器は、モザイク結晶によるアクセプタンスの拡大にヒントを得て、櫛歯型に加工したシリコン結晶に振動を与えることでアクセプタンス(帯域)の拡大と可変性を得るものである。シリコン製結晶の製作に先立ち、アルミ製モックアップの試作、振動測定、有限要素法解析との比較を行った。これら結果を報告する。