THP019  ハドロン加速器  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
理研AVFサイクロトロンのビームエネルギー増加のための改造とそれがもたらすビーム入射・取り出し効率への影響について
Modification for increasing beam energy of RIKEN AVF cyclotron and its effect on injection and extraction efficiencies
 
○大西 純一,後藤 彰(理研仁科センター),小高 康照(東大原子核科学研究センター)
○Junichi Ohnishi, Akira Goto (RIKEN Nishina Center), Yasuteru Kotaka (CNS, University of Tokyo)
 
理研AVFサイクロトロンでは主にRI製造の多様化を目的として加速可能エネルギーを増加させるため、2017年9月に中心領域の電極構造の改造を行った。この結果、重陽子、ヘリウムなどM/Q = 2のイオンについては核子あたり12.5 MeVから14 MeV(加速ハーモニックH = 2)に、陽子については14 MeVからH = 1加速を行うことにより30 MeVに、それぞれビームエネルギーを増加させることに成功した。改造後のこれまで約8ヶ月間に加速した約20種類のビームについてみると、改造前に比べて入射効率は向上したが、取り出し効率が悪くなる傾向があった。一方、RI製造に使用される、24 MeV重陽子あるいは29 MeVヘリウムについてはそれぞれ25 uAおよび30 uAの最高電流値を達成している。本発表では中心領域の改造および改造がもたらすビーム入射・取り出し効率への影響について、ビームシミュレーションによる分析結果とともに述べる。