THP017  ハドロン加速器  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
レーザー荷電変換入射の原理実証実験に向けたレーザーシステムの開発
Development of laser system for a proof of principle of laser stripping injection
 
○原田 寛之,サハ プラナブ クマル,菅沼 和明,金正 倫計(原子力機構, J-PARC),井上 峻介(京大, 化研),米田 仁紀,道根 百合奈(電通大, レーザー研),佐藤 篤(NAT),山根 功,入江 吉郎(KEK)
○Hiroyuki Harada, Pranab Kumar Saha, Kazuaki Suganuma, Michikazu Kinsho (JAEA, J-PARC), Shunsuke Inoue (Kyoto U., ICR), Hitoki Yoneda, Yurina Michine (UEC, ILS), Atsushi Sato (NAT), Isao Yamane, Yoshiro Irie (KEK)
 
大強度陽子加速器では、線形加速器で加速された負水素イオンの2つの電子を円形加速器の入射点に設置された荷電変換用炭素膜にて剥ぎ取り、陽子へと変換しながら多周回にわたり入射することで、大強度陽子ビームを形成している。この入射手法は、大強度の陽子ビームを生成できる反面、周回する陽子ビームが膜への衝突を繰り返すことで、ビーム自身が散乱され制御不能なビーム損失が原理的に発生する。加えて、大強度出力ではビームの衝突時の熱や衝撃による膜の破壊が生じる。大強度陽子ビームの出力や運転効率は、このビーム損失による残留線量や膜の寿命による制限が懸念される。そのため、さらなる大強度出力には炭素膜を用いた荷電変換入射に代わる新たな入射手法が必要となる。J-PARC 3GeVシンクロトロンでの設計出力を超える大強度化に向けて、レーザーにて電子剥離を行う「レーザー荷電変換入射」を新たに考案した。その原理実証実験に向けて、レーザーシステムの開発を進めている。本発表では、レーザー荷電変換入射の概要を紹介し、レーザーシステムの開発状況を報告する。