THP001  電子加速器  8月9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
P型及びN型半導体基板上でのCsK2Sb光陰極生成実験
CsK2Sb photocathode experiment on P-type and N-type semiconductor substrates
 
○郭 磊,加藤 政博(分子科学研究所 UVSOR )
○Lei Guo, Masahiro Katoh (Institute for Molecular Science UVSOR )
 
リング型光源はシンクロトロン放射がビーム性能を制限することから、最先端の素粒子物理学や放射光科学では線形加速器の利用が注目されている。線形加速器では、高性能な電子銃により生成された高品質電子ビームの性能を劣化させることなく加速することで、リング型加速器では実現の難しいビーム性能へ到達できる可能性がある。電子ビーム利用の高度化にともない、短パルス性、コヒーレンス、低エミッタンス、高いスピン偏極など、高性能電子ビーム源が求められている。短パルスレーザーとフォトカソードによる電子ビーム生成はこのような要望にこたえるものとして、注目されている。CsK2Sbは多アルカリ陰極の一つであり、低エミッタンス、高耐久性、高量子効率など、最先端光源である連続大電流FEL(Free Electron Laser)などの実現に必要な、多くの特長を持っている。CsK2Sbカソード性能は、基板の表面状態(酸化など)に依存することはよく知られている。この結果は、基板材料やその他の特性がカソード性能に影響することを示唆している。本研究では、カソード性能の半導体基板の型依存性に注目し、P型とN型のSi(100)、Si(111)基板に生成したカソード性能を評価し、その結果を報告する。