THOL03  真空/加速器応用・産業利用1  8月9日 特別会議室1 9:20 - 9:40
あいちSR電子蓄積リングにおけるビーム急落時の放射線測定
Radiation measurement at sudden decrease of beam current in Aichi SR storage ring
 
○木村 信之介(名大院工),保坂 将人,石田 孝司,真野 篤志,高嶋 圭史(名大SRセンター),大熊 春夫(JASRI)
○Shinnosuke Kimura (Graduation School of Eng. Nagoya Univ), Masato Hosaka, Takasi Ishida, Atsushi Mano, Yosihumi Takashima (SR Center. Nagoya Univ), Haruo Ohkuma (JASRI)
 
あいちSRでは電子蓄積リング立ち上げ当初から蓄積電子ビームの電流値が急落する「ビーム急落現象」が生じていた。現在はこの頻度は1か月に約3回程度までおさまっているものの、この現象が生じるとシンクロトロン光ユーザーに様々な負担をかけることになるため、解決すべき課題のひとつであった。 ビーム急落現象の発生要因はいくつか考えられているが、本実験ではそのうちのひとつ「ダストトラッピング」に着目した。ダストトラッピングとは蓄積リング内に発生したダスト(ビームダクトを構成する原子および分子で形成されたほこりと考えられている)が電子ビーム軌道上に捕らわれる事象のことである。これにより電流値が急低下すると考えられている。 本研究ではビーム寿命急落現象とダストトラッピングの因果関係を解明することを目的としている。このため、ダストトラッピングとビーム急落現象を常に観測できるようなシステムを構築した。ダストトラッピングの測定には半導体を用いたビームロスモニタを用いた。ビームロスモニタによってダストトラッピングが起きた際に軌道から逸れた電子がダクト構成原子と衝突することでダクト外部に照射される荷電粒子を観測した。 本研究ではビームダクトへのロスモニタの設置とデータの回収、データを用いて因果関係の考察を実施した。