THOL02  真空/加速器応用・産業利用1  8月9日 特別会議室1 9:00 - 9:20
SuperKEKB主リング真空システムの現状 -Phase-2コミッショニング-
Status of vacuum system of the SuperKEKB main ring - Phase-2 commissioning -
 
○末次 祐介,柴田 恭,石橋 拓弥(KEK/総研大),白井 満,照井 真司,金澤 健一,久松 広美(KEK)
○Yusuke Suetsugu, Kyo Shibata, Takuya Ishibashi (KEK/SOKENDAI), Mitsuru Shirai, Shinji Terui, Ken-ichi Kanazawa, Hiromi Hisamatsu (KEK)
 
SuperKEKBはKEKの電子・陽電子衝突型加速器で、その主リングは8 GeV電子用のHigh Energy Ring (HER)と4 GeV陽電用のLow Energy Ring (LER)から構成される。設計ビーム電流は、それぞれ2.6 A、3.6 Aである(2500バンチ)。2016年2月から6月までのPhase-1運転では主リングの真空システムは概ね順調に稼働した。すなわち、圧力は運転時間と共に順調に下がり、また、大量に導入された新しい真空機器も約1 Aのビーム電流で問題なく性能を発揮した。一方、Phase-2運転に向けて幾つかの課題も明らかとなった。そこでPhase-2運転前までの長期シャットダウン中にはこれらの問題について様々な対策が取られた。平行して、BELLE-II測定器用の新規ビームパイプ等が新たに設置された。測定器のノイズを低減するビームコリメータも6台追加された。Phase-2運転は2018年3月に始まり7月に終了する予定である。5月12の段階での積算ビーム電流および最大蓄積電流は、LER、HERでそれぞれ104 Ah、99 Ahおよび0.41 A、0.3 Aである(1576バンチ)。現状真空システムはほぼ問題なく稼働し、圧力も順調に下がっている。ここでは、様々な対策の効果や、新規に導入した機器の特性などPhase-2コミッショニング時の主リング真空システムの状況、およびPhase-3コミッショニングに向けた課題等を報告する。