FSP021  施設現状報告ポスター  8月8日、9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
阪大産研量子ビーム科学研究施設の現状報告
Status report of Research Laboratory for Quantum Beam Science, ISIR, Osaka University
 
○古川 和弥,誉田 義英,磯山 悟朗,岡田 宥平,徳地 明,楊 金峰,近藤 孝文,菅 晃一,神戸 正雄,吉田 陽一(大阪大学 産業科学研究所)
○Kazuya Furukawa, Yoshihide Honda, Goro Isoyama, Yuhei Okada, Akira Tokuchi, Jinfeng Yang, Takafumi Kondoh, Koichi Kan, Masao Gohdo, Yoichi Yoshida (ISIR, Osaka University)
 
阪大産研量子ビーム科学研究施設はLバンド40 MeV電子ライナック、フォトカソードRF電子銃ライナック、Sバンド150 MeV電子ライナック、コバルト60γ線照射装置を持つ放射線共同利用施設である。Lバンドライナックはナノ秒とサブピコ秒領域のパルスラジオリシスを用いた放射線化学の研究や、FELによる大強度テラヘルツ波の発生と利用に用いられる。昨年度はクライストロンや前段増幅器の交換、半導体スイッチとサイラトロンの切り替えとそれらに伴うビーム調整・特性測定を行った。また冷却水安定までの時間短縮のための冷却水自動運転システムの構築や、冷凍機を用いない新たな冷却水システムの設計を行った。さらに将来的なビーム振り分けシステムの導入に向け、パルス電源の設計・製作を行った。RF電子銃ライナックは、フェムト秒パルスラジオリシスを用いて放射線化学初期過程の解明が進められている。また、格段に時間分解能を向上したアト秒パルスラジオリシスの実現と、集団イオン化等の新奇現象の探索のため、アト秒パルス電子ビーム発生方法・計測手法を開発している。ナノスケールでの構造変化ダイナミクス解明のため、RF電子銃を用いた時間分解MeV電子顕微鏡、時間分解電子線回折装置を開発している。小型短パルス電子線発生装置は、電子線回折装置のみならず、カソードプラグを装備し新規電子銃開発の役割も担う。本発表では当施設の保守管理・開発の状況に関して報告する。