FSP007  施設現状報告ポスター  8月8日、9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
KEKコンパクトERLの現状
Present status of the compact ERL at KEK
 
○加藤 龍好(高エネ研)
○Ryukou Kato (KEK)
 
エネルギー回収型線形加速器(Energy Recovery Linac, ERL)の小型実証機として建設されたコンパクトERLは、KEKロードマップの改訂により、次期放射光計画のR&D機から、ERL技術の産業応用を念頭に置いた超伝導加速器利用のための開発機にその役割を変更した。2017年度も昨年度同様に年度当初の運転予算はゼロであったが、年度途中に認められた追加予算により、極めて限られた期間ではあるがビーム運転を行うことができた。この短い期間の運転で「大バンチ電荷電子ビームの高繰り返し発生」や「共振器型CDRによるTHz発生」等の試験を行い、他の加速器では得ることが困難な貴重な成果を上げている。また年間を通して行われた電子銃の単独運転では、150時間を超える運転で一度も放電を起こすことなく500kV高電圧の維持に成功している。ここでは2017年度のコンパクトERLの保守・維持の状況と運転により得られた成果の概略について報告する。