FSP004  施設現状報告ポスター  8月8日、9日 大展示ホール 13:10 - 15:10
先端加速器試験施設(ATF)の現状
Status report of the accelerator test facility (ATF)
 
○照沼 信浩,久保 浄,黒田 茂,奥木 敏行,内藤 孝,福田 将史,荒木 栄,森川 祐,田内 利明,Aryshev Alexander(KEK)
○Nobuhiro Terunuma, Kiyoshi Kubo, Shigeru Kuroda, Toshiyuki Okugi, Takashi Naito, Masafumi Fukuda, Sakae Araki, Yu Morikawa, Toshiaki Tauchi, Alexander Aryshev (KEK)
 
 KEKの先端加速器試験施設(ATF)は、国際リニアコライダー(ILC)において必要とされるビーム計測・制御技術、特に衝突ビームに必要なナノメートルビーム技術の開発を進めている。ここでは国際コラボレーション体制の下で、ATF2と呼ばれるビーム最終収束システムの試験ビームラインを拠点として、ILCでの衝突ビームサイズ6nm(垂直方向)に対応する37nmの極小ビーム生成技術、ILCでの電子・陽電子ビーム衝突を安定にするためのナノメートルレベルでのビーム位置制御技術について開発が行われている。  現在までに、ATF2のビーム収束点(仮想衝突点)において41 nmの達成を確認している。しかしながら、Wakefieldに起因するビームサイズに対する強い電流依存性があり、バンチ電荷を想定の1/10程度に下げる必要があった。そのため、Wakefield源となるビームモニターやベローズの数を削減し、その効果を約1/3におさえる対策を実施するなどして、バンチ電荷の増強を進めながら、様々な視点からWakefieldの影響を評価し、ナノメートル極小ビーム生成の技術開発を進めている。ビーム位置制御技術開発では、制御に使用する空洞型BPMの分解能が従来の半分となる20 nmに改善することができており、バンチ電荷の増強とともに更に開発が進むことを期待している。これらATFにおけるナノメートルビーム技術開発の現状を報告する。