FROM14  加速器土木・放射線防護  8月10日 特別会議室2 15:50 - 16:10
法定停電によるSuperKEKB停止時のビーム衝突点近傍の振動環境調査
Vibration environment in the vicinity of beam collision point in stopping the SuperKEKB due to legal power outage.
 
○松永 裕樹,松下 仁士,井上 竜太,下河内 隆文(竹中工務店),吉岡 正和,佐貫 智行,小貫 勅子(東北大学),早野 仁司(高エネルギー加速器研究機構),坪川 恒也(真英計測)
○Hiroki Matsunaga, Hitoshi Matsushita, Ryota Inoue, Takafumi Shimogouchi (Takenaka Corp.), Masakazu Yoshioka, Tomoyuki Sanuki, Tokiko Onuki (Tohoku University), Hitoshi Hayano (High Energy Accelerator Research Organization), Tsuneya Tsubokawa (Shin-ei Keisoku)
 
SuperKEKBビーム衝突点近傍では3Hz帯域で卓越する鉛直振動が観測されており、ビーム衝突点の両側約10m離れた2点間の鉛直相対振動は数十nm程度であることを確認している。SuperKEKBではビームの縦幅を約50nmに絞り込むため、鉛直振動がビーム衝突に与える影響について議論されてきているが、振動源については明確に特定されていない。振動源としてはKEKの敷地に隣接する大通りの車両交通が有力であったため、KEKが法定停電となる期間を利用して、全設備が停止した状態でビーム衝突点近傍の振動計測を行った。本稿では、車両交通の振動影響の他、復電後に順次稼働させる冷凍機や空調等の設備の振動影響についても把握することで、ILC計画における防振設計の基礎データとすることを目的とする。KEKつくば実験棟地下4階において、10m離れた2点にサーボ型加速度計を設置し、鉛直相対振動測定を実施した。車両交通については、停電時深夜には3Hz帯域の鉛直相対振動量は5~10nm程度と小さく、交通量が増え始める明け方から徐々に振動量が増加していき、最大45nm程度となった。以上より、3Hz帯域の振動は車両交通由来であることを確認した。また設備については、順次稼働させた際に20Hz以上の高振動数領域においてのみ振動が増加していった。このことから、設備由来の振動影響は20Hz以上に限られることを確認した。